本当に面白い漫画・アニメ『彼方のアストラ』原作と徹底比較!【声優情報】

少年ジャンプ+で連載し2019年マンガ大賞を受賞、そして2019年夏にアニメ化を果たしたSKET DANCE篠原健太先生が描く『彼方のアストラ』

漫画連載当時はそれほど注目を集めることはなかったのですが、1年半という短い歳月で物語は円満完結を迎え、作品完結後にその完成度の高さからネットで口コミが広がり話題となりました。

コミックは全5巻と少年誌ではかなり短い完結作品ですが、設定の細かさや特徴的なキャラクター、そして多くの伏線と最後の回収までの流れは、まるで一つの映画を見ているかのような作品となっています。

そして2019年夏に1クール全12話(1話・12話拡大)にてTVアニメ化されました。そのアニメ版は原作漫画の良さを余すことなく活かされた傑作となっています。

本作品は本当に原作を大切にアニメが作られた貴重な作品だと思います。両作品を比較しながら漫画・アニメそれぞれの良さを検証してみたいと思います。

目次

『彼方のアストラ』物語の舞台背景と作風紹介

舞台背景は宇宙旅行が当たり前となった近未来

主人公たちの住んでる世界はあまり多く登場しませんが、1話では宇宙空港で警備ロボットが巡回していたり、空飛ぶ車が走っていたりと、誰もが想像する未来の世界が描かれています。

そしてメインの舞台となるのは『宇宙』。つまり、作品としてはSF(サイエンスフィクション)、旅をするのは惑星キャンプに興じるまだお互いを知らない高校生たちです。

大自然の中で5日間の間、生徒たちだけでキャンプをし協調性を高める。本来は楽しい宇宙旅行のはずが一転、正体不明の物体により宇宙遭難してしまいます。

まだお互いを知らない少年少女たちは命の危機にさらされながら、個々の能力を生かし、時にぶつかり時に励まし合い、裏切りと信頼が混在する中、生きるために衝撃の真実に向けて歩み出します。

本作品を未読・未視聴の人は本記事後半はネタバレ要素が多く含まれるため、ぜひ前情報なくまずは作品を見てみることをオススメします!

『彼方のアストラ』原作漫画情報

作者  :篠原健太
掲載雑誌:少年ジャンプ+(集英社)

連載期間:2016年5月~2017年12月
コミック:既刊全5巻

あの『SKET DANCE』の先生による待望の最新作!

作者は篠原健太先生。週刊少年ジャンプで『SKET DANCE』 の作者として有名です。

『SKET DANCE』 は2007年から2013年まで連載され、コミックは全32巻発行されており、アニメも1年以上に渡り木曜夕方の枠でテレビ東京系にて放送されました。

篠原先生は同じジャンプで連載されていた『銀魂』の空知先生のアシスタントをされていたことで、原作やアニメで共演を果たしています。

そんな篠原先生は『SKET DANCE』 が連載終了したのち、2016年からこの『彼方のアストラ』を1年半に渡り連載していました。

篠原先生は『彼方のアストラ』を前作のスケットダンスとは全く違うジャンルに仕様と意気込み、いろんな要素を盛り込んだ結果『学園SFミステリーラブコメディ漫画』に仕上がった挙句、それはスケットダンスと変わらないのでは?といった作品になりました。

アニメ化も意識したカラー設定などをされていたようで、原作未読の方は是非初見を映像で体験してみてほしい(その後本も買ってほしい)とコメントされています。

マンガ賞を総なめの注目の作品!

『彼方のアストラ』は連載こそ2年前に完結していますが、2017年に第3回「次にくるマンガ大賞」Webマンガ部門で5位を獲得しています。

その後口コミで話題が広がり、「このマンガがすごい!2019」オトコ編で3位、「マンガ大賞2019」で大賞を獲得するなど、連載終了後に一気に注目を集め、満を持してのアニメ化となりました。

もともと、本誌で企画された本作品ですが、実は企画段階ではかなりの低評価だったようで、連載前にボツとなってしまったそうです。

そんな作品をWEBで連載することになり、キャラクターの調整やストーリーの圧縮などを行ったことで、伏線や展開がより面白くなり、後の評価に繋がっていきました。

『彼方のアストラ』アニメ・声優情報

製作会社  :Lerche(ラルケ) 2011年以前はスタジオ雲雀
監督    :安藤正臣
シリーズ構成:海法紀光
放送期間  :2019年7月~9月

『がっこうぐらし!』の製作陣が勢ぞろい!

『彼方のアストラ』のアニメ制作には『がっこうぐらし!』の制作陣が大きく関わっています。

安藤監督は『がっこうぐらし!』の監督、シリーズ構成の海法さんは漫画『がっこうぐらし!』の原作・シリーズ構成、そして製作会社のラルケさんは 『がっこうぐらし!』の制作会社なんです。勢ぞろいですね。

ラルケでは他にも『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation』『暗殺教室』などを製作されています。ちなみにダンガンロンパのシリーズ構成も海法さんです。実績は十分!

『がっこうぐらし!』とは、芳文社の『まんがタイムきららフォワード』にて現在も連載中の漫画作品で、2015年にアニメ化、そして2019年1月には実写映画化した超人気作品です。

突如出現したゾンビたちにより殺害された人間はみなゾンビ化して社会は崩落します。わずかに生き残った女子生徒たちが『学園生活部』を立ち上げ、学校に立てこもり日々をすごす、ホラー系サバイバルを『日常系』のテイストで描く作品です。

『がっこうぐらし!』は原作漫画とアニメで表現やストーリーを変えていますが、作品の根本的な良さは残しつつ作られ、後にこの改編がアニメ化成功・作品の知名度UPに貢献しています。

原作ファンとしてはアニメ化にかなり期待の持てる製作会社さん・監督さんたちです!

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キャラクター・声優紹介

🍀カナタ・ホシジマ CV:細谷 佳正🍀

本作の主人公。1話でヒロインのアリエスを助けたり、自分からリーダーに立候補するなど、リーダーシップはありようだがどこか頼りなさそうな主人公。

過去にも遭難経験があり、助けられそして失った恩師の先生の言葉が彼の原動力になっています。自らの危険を省みず果敢に仲間を助け出す姿に、仲間からの信頼は強くなり本人が思う以上にリーダーとして頼りにされます。

担当声優は細谷 佳正さん。

細谷 佳正(ほそや よしまさ)
・男性声優
・1982年生まれ
【代表作品】
『進撃の巨人』 ライナー・ブラウン
『斉木楠雄のΨ難』 窪谷須亜蓮

人気少年漫画のアニメで活躍されています。少年漫画の男らしい主人公って感じの声でピッタリだと思います。

🍀アリエス・スプリング CV:水瀬 いのり)🍀

本作のヒロイン。朗らかな性格のようだが、言葉を言い間違えたり空気が読めなかったり天然な性格のよう。ミカンや麦茶を凍らして持ってくるなどおばあちゃんのような行動をとります。

担当声優は水瀬 いのりさん。

水瀬 いのり(みなせ いのり)
・女性声優、歌手
・1995年生まれ
【代表作品 】
『ダンガンロンパ3 -The End of 希望ヶ峰学園- 未来編 / 絶望編』 安藤流流歌
『がっこうぐらし!』主人公・丈槍由紀

がっこうぐらし!ではもっと幼い役柄でしたが、本作では声に少しハリがあり、キャラクターに合った良い配役だと思います。

🍀ザック・ウォーカー CV:武内 駿輔🍀

IQ200の超天才少年。眼鏡をかけており見た目通りのエリート。宇宙船の操縦免許を持ち、可食判定装置を作り出すなど宇宙遭難におけるキーパーソンとなります。その分彼の言葉は時として重く、否定の言葉はそのまま絶望へと変わります。

冷静で無感情な性格に見える反面、恋愛に関してはその性格が裏目に出て『言葉にしないだけでド直球に伝える性格』に変わり、周囲(主にキトリー一人)を振り回します。

担当声優は武内 駿輔さん。

武内 駿輔(たけうち しゅんすけ)
・男性声優
・1997年生まれ
【代表作品】
『アイドルマスター シンデレラガールズ プロデューサー
『KING OF PRISM』大和アレクサンダー

武内さんは若干17歳でを演じて注目を浴びたことでも有名です。他にもなどを演じられています。

🍀キトリー・ラファエリ CV:黒沢 ともよ🍀

褐色肌が特徴の少女。ザックとは幼馴染で、最初は彼のことを自慢げに紹介するなど立場が上かと思いきや、恋愛感情を言葉にされタジタジに。妹のフリシアとは最初仲が良くなかったが旅の中で今まで以上の仲を深める。

最初はアリエスから声を掛けられても突っぱねるツンケンした性格だったが、最終的には完全にツッコミ役に落ち着いた。篠原先生の作品は女性ツッコミが物語を回すので、非常に重要な中心人物。

担当声優は黒沢 ともよさん。

黒沢 ともよ(くろさわ ともよ)
・女性声優、歌手
・1996年生まれ
【代表作品】
『アイドルマスター シンデレラガールズ』 赤城みりあ

🍀フニシア・ラファエリ CV:木野 日菜🍀

キトリーの妹。高校生のキャンプ実習だが実習課題として「10歳の少女を同行させる」という理由からキャンプに同行。思っていることをアニメキャラの喋りで再生する「ビーゴ」というパペット人形を持ち歩く。

物語後半の大きな鍵となりますが、基本的には癒し系。ただ彼女が居なければメンバーの仲がギスギスのままで最初の時点で詰んでいたのかもしれない。

担当声優は木野 日菜(きの ひな)さん。

木野 日菜(きの ひな)
・女性声優
・1997年生まれ
【代表作品】
『あそびあそばせ』 主人公の一人・本田華子

子どもや妖精の役などが多い。

ビーゴの声優は龍田 直樹(たつた なおき)さん。

ベテラン声優さんで、『キテレツ大百科』のブタゴリラ役や『くまのプーさん』のラビット役などを演じています。声の特徴としては『ドラゴンボール』のウーロンが一番イメージしやすいかも。

🍀ルカ・エスポジト CV:松田 利冴🍀

少しお調子者な小柄の少年。「○○すか?」といった言葉使いをし、謎の球体にも臆せず触るなど輪の中心に居ながら周りを盛り上げる存在。物語の後半でルカの内面の部分が明らかになってからは更に周りへのからかいがエスカレートします。

担当声優は松田 利冴さん。

松田 利冴(まつだ りさえ)
・女性声優
・1993年生まれ
【代表作品】
『ハクメイとミコチ』 主人公のひとり・ハクメイ

姉妹で声優活動をされており、『怪盗ジョーカー』や『電波教師』などで姉妹共演を果たしています。

🍀シャルス・ラクロワ CV:島﨑 信長🍀

生物学が得意な美形少年。イケメンボイスで顔をキラキラさせながら語りかける特技があり、博学で役に立つのに一番のトラブルメーカーというとんでもないキャラクター。

物語の核となる一番のキーパーソンであるが、サバイバルの中心に立ち知識と行動力を持ち合わせるため、普段の位置づけとしてもリーダー以上にリーダー的な存在となる。

担当声優は島﨑 信長さん。

島﨑 信長(しまざき のぶなが
・男性声優
・1988年生まれ
【代表作品】
『あの夏で待ってる』 主役・霧島海人
『バキ』 範馬刃牙

🍀ユンファ・ルー CV:早見 沙織🍀

長身黒髪の眼鏡少女。自己紹介でも自分の得意分野が無いといいながら謝るなど人見知り全開。ただそのプロポーションは周りの女性陣を圧倒するものがある。

メンバーが率先して動きはしゃぐ中で、常に中心から一歩離れ距離を置いています。

担当声優は早見 沙織(はやみ さおり)さん。

早見 沙織(はやみ さおり
・女性声優、歌手
・1991年生まれ
【代表作品】
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』 鶴見知利子=つるこ
『ワンパンマン』 地獄のフブキ

🍀ウルガー・ツヴァイク CV:内山 昂輝🍀

ニット帽、片目が隠れた前髪が特徴の少年。メンバーからは常に距離を置き、仲間同士のなれ合いを拒絶する。迷惑そうにする反面、団体行動の時は必要な動きを見せるなど基本的に輪を乱す行動は起こさない。

担当声優は内山 昂輝さん。

内山 昂輝(うちやま こうき)
・男性声優、俳優
・1990年生まれ
【代表作品】
『HUNTER×HUNTER』メルエム
『キングダム ハーツ シリーズ』ロクサス

『彼方のアストラ』漫画とアニメを全話徹底比較紹介!

ストーリー・作品の魅力を考察

『彼方のアストラ』を知る上でストーリーを無視しては語るに落ちてしまいます。今回はストーリー考察がメインではないため、さらっと重要ポイントを確認します。

ここからはネタバレ要素満載となるため、見る方は注意願います。

🍀裏切り者の存在🍀

最初に宇宙へ飛ばされる事件から始まり、アストラ号に逃げ込むことで一度は生きる希望をつなぎますが、アニメ2話目より”裏切り者の存在”が明らかになります。

カナタの一言で裏切り者をあぶり出すことよりも生き抜くことに力を注ぐことで意思統一を図りますが、仲間の絆が深くなっていくに連れて『本当は裏切り者なんていない?』という感情が、キャラクターだけでなく読者の心にも湧き出てきます。

途中ウルガーの行動がミスリードになっており、結果的に違うことが判明。そして次にシャルスの疑惑で一度疑いをかけられます。

この展開が非常に上手い!最終的にシャルスが裏切り者と分かりますが、一度疑われ疑いが晴れたことによる二度目のミスリードに、読者の中で裏切り者の選択肢がかなり増えます。

結果的に一番怪しいシャルスが裏切り者であっても、展開に引き込まれがっかり感を感じさせない演出となっています。

🍀クローンと仕組まれた子供たち🍀

物語の中盤以降、主人公たちは全員誰かのクローンであることが明らかになります。

この展開は主人公たちが置かれた絶望、事件に巻き込まれた理由、そしてそれを乗り越え生きるための希望、すなわち物語の最終目標のカギになります。

これは同時に、一見ご都合主義に思われる『宇宙船操縦のできるザック、生物学に長けたシャルス、並外れた運動神経を持つカナタ』などの都合のいい能力の理由付けにもなっています。

よくある”たまたまエリートが集まった集団”ではなく、”エリートだからこそ生まれ集められた存在”とすることで物語の基盤を作っています。

SF作品の中ではクローンの存在はありがちで、物語のミスリードを起こすために多く使われます。しかし、そういった作品が多すぎるためクローンだけでは読者は驚かなくなってきています。

『彼方のアストラ』はクローンという存在を物語のキーに使いつつ、物語そのものの理由付けとしてうまく使いこなしたあまり類をみないストーリーとなっています。

🍀主人公・カナタを物語の中心から一歩離している🍀

ストーリーを作る上で主人公は必須になります。特に少年誌には少年誌らしい主人公が必要です。

カナタの存在は少年誌の主人公そのもので、熱血感・正義感に溢れています。しかし、他の作品と大きく異なるのが、主人公が物語の核ではないということ。

カナタもクローン事件における一人の被害者ですが、事件の中心にはシャルスがいて、メインヒロインにアリエスがいる。シャルスの境遇は王様のクローン・ヒロインは王の娘のクローン。壮大な物語の中心にいます。

主人公たちのクローン元である親の存在の中には、クローン開発に関わる者・政治家・学園理事・芸能芸術とかなり強烈な存在が多くいますが、主人公のカナタはというとプロ陸上選手の息子です。一見するとかなりインパクトに欠けます。

カナタはメンバーと同じ被害者の立場に居ながら、決して物語の中心にはならない普通の存在。しかし彼の性格と行動により、読者は自然とキャラクターそのものを自ら主人公と認め位置付けてしまうのです。

少年誌には主人公の強さを証明するために親や境遇を大きな存在にする作品が多くありますが、本作品は『主人公が主人公であるのに理由付けはいらない』を体現した数少ない作品となっていて、他の少年誌作品にはない魅力をもっています。

アニメは原作漫画のどの話?

アニメは全12話放送されました。その中でも1話と12(最終)話は前後に分かれており、30分作品としては全14話分となっています。では、それぞれ原作漫画の話に対比表にしてみました。

アニメ原作漫画
1話(前・後)1巻#1~#2(2話分※1話50P)
2話1巻#3~#7(5話分)
3話2巻#8~#12(5話分)
4話2巻#12~#17  (6話分)
5話3巻#19~#21(3話分)
6話3巻#22~25(4話分)
7話3巻#26~第4巻#29途中(3.5話分)
8話4巻#29途中~#32(3.5話分)
9話4巻#33~#37(5話分)
10話5巻#38~#42(5話分)
11話5巻#43~#45(3話分)
12話(前・後)5巻#46~#49(4話分) 

アニメ作品の多くは、漫画1話20Pとし3話分でアニメ1話、単行本で4~5巻分程度が一般的です。

彼方のアストラに関しては、最初の1話は原作漫画でも拡大50P(一般1話が20Pなので2.5話分)ありますが、アニメ60分で原作3.5話分、最終話も同じく4話分と最初と最後はかなり原作に対し時間を多く使っています。

それに対し2~11話は平均するとアニメ1話あたり原作漫画4.3話分とかなり密度が濃い方です。全体的に話の展開を早くし、アニメ1話毎にストーリー性を持たせつつ、最初と最後は作り込んだ製作をされています。

これも原作漫画が一つの作品として完成されており、また完結された作品をアニメ化するからこそできる手法です。

原作漫画とアニメはどう違う?各話をピックアップ!

アニメを通して原作と比較してみましたが、基本的な構成は原作漫画通りの作りになっています。

その中でも構成に非常にこだわりを感じます。

漫画の見開きページなど、漫画のカッコいい部分はそのままアニメ化していますが、アニメ1話にまとめる時にストーリー構成を少し前後させたり、物語後半に明らかになるキャラクターの特徴を前半に散りばめたりと、これも完結作品だからこそできるオリジナル要素が盛りだくさんです。

原作ファンだからこそ気付く点が多く、本当に原作を大切にしている作品だと感じました。

その中でも、各話アニメと漫画に違いのあるシーンについてピックアップして紹介します。

🍀【アニメ1話前半】冒頭は宇宙に放り出されたアリエスのシーンから🍀

アニメのオープニングは宇宙シーンから始まります。1話の中でその伏線は拾われますが、冒頭で大きく順序を入れ替えたのはこのシーンのみでした。

ただ、ザックとキトリーの会話シーンや、ユンファが加害者妄想で謝るシーンなどキャラクターの特徴を示す表現が原作漫画から所々追加されています。

🍀【アニメ1話後半】『手を繋ぐしかねぇ』🍀

絶望に直面したメンバーに対し、カナタが過去の遭難経験から気持ちを一つにするために放った言葉ですが、アニメ第1話ではこの”手を繋ぐ”ことに関連するオリジナルシーンが多く出てきます。

最初はアリエスがフリシアに友達になりたいと声を掛けた場面。アニメではアリエスがフリシアの手に触れます。

また、カナタがアリエスを助けるシーンで、帰還時に軌道がズレてしまうシーンがアニメで追加されますが、それを全員が手を繋ぐことで助け出すことに成功します。

そして全員がバラバラになった場面。カナタの言葉に続き、アリエスがみんなに語りかけます。

『わかります!さっき私がもうダメだって思ったとき、みんなが手を繋いで助けてくれたじゃないですか でも今はバラバラで、私たちまだお互いの名前も知らないで こんなのって変です!だからもう一度・・・』

その言葉に一番に手を差し伸べたのは、友達になりたいと手を差し伸べてもらったフリシアでした。そして全員が手を繋ぎながら自己紹介をします。

『手を繋ぐ』ことでまだほとんどが見ず知らずの他人である9人の絆を少しずつ深め合う各シーン。実はほとんどがアニメオリジナルなんです。

一つのテーマを加えることで最初の1話で視聴者を一気に引き込む効果があります。アニメオリジナルでもそう感じさせないところが、作風を大事にしているからこそできた演出です。

🍀【アニメ2話】 ”裏切り者”の存在が最後に明らかになる🍀

アニメ2話は最後に”裏切り者”の存在をほのめかす衝撃的な事実が判明します。

原作漫画では実は宇宙船に乗り込んだ早い段階で”何かしらよくないこと”が起こっていると分かりますが、アニメ版ではフニシアとザックの会話内にその雰囲気を醸し出す程度にとどまり、小さな伏線として演出されています。

🍀【アニメ3話】アリエスのオッドアイ🍀

アリエスの目はオッドアイになっており、シャルス曰く右目がヘーゼル、左目がグリーンとのこと。

これはオリジナルではありませんが、モノクロの漫画版はトーンで目の色違いを表現しています。もちろんカラー表紙などで分かりますが、アニメではオッドアイが目立ちすぎないような配色になっているようにも思います。

ちなみに、虹彩の色で「ヘーゼル」は光の当たり具合により色味が変化することから「環境によって変化する目の色」とも言われています。「グリーン」と合わせ、どちらもヨーロッパ系に多い色のようで、アイスランドでは88%の人がグリーンかブルーの目を持つそうですよ。・・・関係ないですね。

🍀【アニメ3話】ウルガーの銃を手に入れるシーンが話のラストに🍀

アニメ3話の最後にウルガーが倉庫から持ち出したものが銃であることが判明します。ウルガーが裏切り者ではないかというミスリードの演出です。

原作漫画では、倉庫から出てきたウルガーとカナタの会話シーンの後に、その運び出した荷物が銃であることがすぐに明かされます。一方アニメでは飛行生物を打ち落とすとき、ウルガーに銃の腕前があることを匂わせ、そしてエンディングに銃を手にした事実を演出します。

1話毎のテーマ、伏線、そして最後の盛り上がりを組み立てて構成されているのがよくわかる演出です。

🍀【アニメ3話】鳥を放った犯人は・・・?🍀

流星物(メテオロイド)により宇宙船の制御が壊れる事故。連携を組み果敢に立ち向かうカナタ達の前に突然現れた謎の飛行生物。ウルガーの射撃により収束しますが、全員が命の窮地に立たされた大ピンチでした。

実は漫画ではその原因がちゃっかり明かされています。

引用元:漫画『彼方のアストラ』第2巻より

漫画版ではギャグ要素が至る所に出てきます。読んでいても違和感なく楽しめるのですが、いざアニメにするとシリアスな場面で音楽とともに緊張感を強く表現するため、違和感が無いようにアニメではギャグ要素を少し弱めているようです。

漫画1話とアニメ1話の盛り上がり部分は当然異なるため、ギャグシーンを調整する改編こそがアニメの出来を原作を超えたものに昇華しています。それでも決して原作の良さを失っていないのが素晴らしい。

アニメから入った人は、ぜひ漫画版のコミカルさも体験してみて下さい。

🍀【アニメ4話】シャムーアでは食料だけでなく実は水不足問題も!?🍀

アニメでは惑星シャムーアで食料問題が懸念となっていましたが、漫画版では水源確保の問題定義もされており、アニメよりもかなり過酷な状況に陥っていました。

🍀【アニメ4話】ユンファの歌は英語の歌詞!🍀

アニメでユンファの歌にメロディが付きました。もちろん作詞は原作者の篠原先生。

アニメ化の際に結構楽しみにしていたのですが、ちょっと残念なのが歌が日本語であったこと。原作版は英語歌詞です。アニメでは英詩ベースの日本語訳歌詞だったので、できればそのまま英語の歌にしてほしかったのが本音です。

🍀【共通】未知の生物、生体系の構想🍀

アニメでは物語に直接関係ない内容は一部省略されていますが、原作世界感の要素の一つに惑星独自に未知の進化を遂げた生態系の存在』が描かれています。

アニメ版ではカットされているシーンが多く残念なのですが、ファンタジーの中に現実の理屈や理論を組み込んで結構細かく解説されています。

原作を読んで世界観をより知ったあとにアニメを見返せば、また違った一面を見ることが出来るかもしれません。

🍀【アニメ5話】親同士の関係、そしてアリエスの真実🍀

アストラ号のメンバーの親が会合するシーンが出てきますが、そこで親子間や親同士の様々な関係性が明かされます。実はこの時点でアニメ版では物語の神髄に関わる内容をあえてカットされているシーンが多くあります

アニメではアリエスが育ての親と血縁関係が無いことを物語終盤に明らかにしますが、漫画版では母親のシーンにより読者には先に明らかになります。物語の神髄に関わるため敢えてアニメ版では伏せているようです。

同様にザックとキトリーの親同士の掛け合いもカットされています。気になる方は漫画版をチェック!

🍀【アニメ5~6話】ルカの心境変化🍀

ウルガーの銃と腕前、常に帽子をかぶっている理由、人と距離を置く理由。そしてルカがIS(インターセクシャル)であることが明らかになります。

アニメではルカの同姓に対する心の変化の部分はあまり語られませんでしたが、漫画版ではルカがカナタのことをかっこいいと感じたことがあると語るシーンがあります。

そのシーンを経て、カナタがウルガーを片腕で力尽くで助け出す様子を見て「やっぱかっこいいや」と呟くのが、ルカの心境が詰まっていて個人的にすごく好きなシーンです。

🍀【アニメ6話】津波のシーンは映画「インターステラー」を思い出す🍀

地震の後に大津波が来てカナタ達を襲うシーンがあります。このシーンを見ると思い出すのが、2014年に公開された洋画・インターステラーです。

インター・ステラーは私が大好きな映画で、あまり洋画は見ない方なのですが、SFの宇宙を舞台にした3時間弱に渡る超大作で、地球を離れた居住可能な惑星を探すため宇宙に繰り出し様々な惑星を探索する物語で、その中の惑星の一つで主人公たちは巨大津波に襲われるシーンがあります。

作者の篠原さんも同作品から画面に影響を受けている作品だと語っているので、まさにまんま影響を受けたシーンだったのかなと思います。

🍀【アニメ8話】知られざるフニシアとカナタの遭難🍀

ザックとキトリーが二人で会話するシーンのあとに、漫画版ではカナタとフニシアが吹雪のなか遭難する事件がありました。寄生虫のような生命体にカナタとフニシアのスーツの体温調整機能を壊されてしまい、帰還時に低体温症を引き起こします。

しかし命かながら生還したカナタに対し応急処置の連携の良さはポリーナが関心するほど。ここでポリーナの船の乗組員の話題になり、フニシアとキトリーの容姿が似ているという話題になります。

ちなみに漫画版では私物のサンプルからザックとユンファが親とのDNAが一致していたことも判明しています。

🍀【アニメ9話】出発パーティーは盛大に!🍀

第4惑星・イクリスを旅立つ際に出発パーティを開きます。漫画版ではユンファがフニの考えた歌を歌っているので、是非アニメでも披露してほしかった。

アニメ版では少し展開が前後していますが「惑星イクリス無事出発おめでとう・ポリ姉歓迎&ザックとキトリー結婚おめでとうパーティ」に昇華されました。

ここら辺の展開の運びも、物語の起伏が漫画版よりも更に引き込まれる作りになっており、特に9話の衝撃の事実から落胆、衝撃の事実のラストシーンに結びついています。

🍀【アニメ10・11話】怒涛の伏線回収!🍀

今まで積みあがってきた物語の伏線が一気に回収され、一つ一つの点が一本の線に繋がります。

非常に重要なシーンも多くありますが、アニメ内では物語に影響しない範囲でやむを得ずカットされた内容が多くあります。また反面アニメならではの演出を加えることで盛り上げているシーンも多数あります。

一部分ですが紹介します。

・シャルスはアーク号の存在を知っていた(漫画)
  シャルスが裏切り者と判明した際に明かされた真実の中に、
  漫画版ではシャルスがアストラ号と同じ船に一度入ったことがあり
  それで通信機を先に壊すことができたと判明します
・セイラが警護を拒否している(漫画)

  セイラとシャルスの過去のシーンで、最初にセイラが城内での
  警護を拒否する場面があります。自由い生きることを主張したことが
  その後にセイラを崖に突き落とす悲しい事件の伏線へと繋がります。
・SEIRAの刺繍を裏側から見るシーン(アニメ)

  アリエスの名前(ARIES)を決める時にセイラがハンカチの刺繍をみて
  名づけるシーン。ちょっとした表現ですが貴重なシーンになっています
・セイラが突き落とされ救えなかった回想後、右腕を伸ばすシャルス(アニメ)

  1話の伏線回収ともいえるシーンです。カナタは幾度となく右腕を差し出し
  仲間を救い、シャルスも同じ右腕に救われたが、
  カナタもシャルスも過去に似た境遇で大切な人を救い出せなかった
  環境が違えば二人は同じ道を歩んでいた者同士だったのかもしれません
・アリエスの回想で母親からのプレゼントがアニメでは靴から髪留めに変更

  アリエスが母親から受け取った思い出のプレゼント。
  血は繋がっていなくとも心は繋がっていた感動のシーン。
  アニメ版ではアリエスが常に身に付けていた髪留めに変更されました。

🍀【アニメ10話】惑星・ガレムは発行生物の惑星!?🍀

物語の展開が最大の盛り上がりを迎える10話と11話では、重要なストーリー部分を重視し、惑星・ガレムへの到着前と到着後の様子が大幅に短縮されています。

植物が自然発光しており、空気成分も異常がなくヘルメットの必要はありません。ウルガーを罠に仕掛けるシーンでシャルスたちはヘルメット通信で連絡を取りますが、ヘルメットが不要である中雨が降っているため不自然にならないことが漫画版で説明されています。

🍀【共通】エンディングの映像シーンが異なる!🍀

アニメのエンディング映像では色々なシーンのカットが流れますが、実は話毎に映像内容が異なります。

基本的には放送話数までの話に即したカットが流れるのですが、流れるのはアニメ内に出てきていないシーンが多くあります。

原作漫画の巻末には2巻以降4コマ漫画が掲載されています。ストーリー展開とは関連しない内容がほとんどの為、一部を除きアニメでは出てきていないシーンばかりです。この4コマのシーンは各話のエンディング映像で使われています

また11話のエンディングでは、メンバーそれぞれの過去が明らかになり、大切な人との想いでのカットが流れます。主題歌は飛ばしてしまいがちですが、見逃している人はストーリー展開と共に是非見返してみて下さい。

🍀【アニメ最終話】アリエスの恋心と決意🍀

最終話の7年後のシーンでアリエスはカナタと結婚することを仲間に打ち明けます。

カナタとアリエスは物語の中で互いに徐々に想いを寄せていきますが、アニメでは地球に帰還する際にアリエスが母親にメールを送るシーンが追加され、カナタが 「アリエスを育てたお母さんなんだよな ならきっとアリエスみたいにまっすぐで優しい人だろう」 と発言することでアリエスの想いが固まったように見えます。

🍀【アニメ最終話】1話からの伏線!惑星が衝突した地球!?🍀

最終話で地球とアストラの真実が明らかになりますが、その際カナタ達がマクパでワームホールに飲み込まれたあと、目の前に現れた氷の星が”隕石が衝突した地球”だと判明します。

アニメでは1話で一瞬映った惑星に隕石の衝突痕が確認できます。漫画にはない大きな伏線となっていたようです。

引用元:アニメ『彼方のアストラ』第1話より

🍀【アニメ最終話】フニが髪飾りを渡した想いを寄せる相手は!?🍀

アニメ2話でフニシアがキトリーとお揃いの髪飾りを取ろうとしてドラポンに襲われてしまうシーンがあります。その時の髪飾りはフニとキトリーが仲直りするきっかけにもなる思いでの品。

実は最終話でウルガーが大切にしている帽子に同じ髪飾りが着いています。漫画版でも☆を付けていることがわかりますが、アニメ版で色が付いたことによりウルガーが帽子に付けているのはフニの髪飾りということが判明します。

引用元:アニメ『彼方のアストラ』第12話より
引用元:アニメ『彼方のアストラ』第2話より

ウルガーはルカにこそ心を開いているシーンが多々ありますが、アニメでは1話でフニシアの純粋無垢な触れ合いにより手を取り合うシーンがあり、漫画版の4コマでもウルガーとフニの触れ合いは旅路途中や7年後の物語にも出てきます。

果たして、一匹オオカミのウルガーはフニシアとルカ、どちらを取るのでしょうか??

🍀【全話共通】手を繋ぎ合い、右手を差し出す🍀

1話の紹介の中でも書きましたが、”彼方のアストラ”では”手を繋ぎ助け合う”といったテーマがあります。

原作漫画でもその良さは素晴らしいほどうまく組み込まれており、カナタの過去、アリエス・フニシア・ウルガー・そしてシャルスを助けた右腕、その腕を失い、大切なものを繋ぎとめます。

アニメではそのテーマをより強く表現しており、1話でのキトリーとアリエスの会話シーンでも手を触れ合うシーンが印象的です。

またアリエスを助けるシーンでは、アニメでは帰還時の軌道修正がうまくいかず、全員が手を繋ぎ助けるシーンが追加されています。

それは、皆が右手で相手のことを繋ぎとめ、最後まで大切な思い出となる場面です。

そしてシャルスがセリアを助けられなかった過去の回想で、アニメで一瞬ですが右腕を伸ばし握り占め悔しい表情を浮かべるシーンが追加されています。

それはカナタが過去に右手を差し出しても先生を助けられなかったシーンとリンクし、シャルスも同じ辛い思いをしていることが分かります。

最終話、アリエスとカナタは右手を差し出し、重なり、そしてカナタが宇宙に旅経つシーンでエンディングを迎えます。このシーンはほんとグッときましたね。

引用元:アニメ『彼方のアストラ』第12話より

これらの原作からのアレンジされた演出が傑作漫画を更に超えた素晴らしいアニメ作品にしたと言えるでしょう。

如何だったでしょうか。原作漫画とアニメの違いは読み返せば読み返すだけ出てきますが、とにかく原作を大切に、そして原作以上のものに作り上げられたアニメであったとこは間違いないでしょう。

アニメはアニメの良さ、漫画は漫画の良さがそれぞれあるとても貴重な作品だと思います。私はアニメを見て原作漫画も更に好きになりました。本来、アニメ化とはこうあるべきという素晴らしい例だと思います。

もし、どちらかまだ見てない人がいましたら、是非手に取ってみては如何でしょうか。作品のことをより好きになれると自信をもってオススメします!